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(旅行記)とんぺいくさまくら 8

 

Newfoundland/Labrador/Prince Edward Island, Canada   August 6- 20, 2004

ニューファンドランド/ラブラドル/プリンスエドワード島ドライブ旅行    森谷 東平  Tohei Moritani

     

はじめに

今回、カナダの西の端の島、ニューファンドランドにドライブしようと思い立ったのは、国立公園(NP)の本を見てからだ。アメリカの東海岸には目立った国立公園がない。メイン州のAcadia NPは4年前に行った。一方、カナダには東にNPがいくつかある。そのうち、ニューファンドランドのGros Morne NPの写真と記事に引きよせられた。氷河が作った渓谷美の写真で世界遺産に登録されているとのことであった。ニューファンドランドという中学生時代に教科書で知った土地にも興味を持った。でも、ドライブでたどり着けるだろうか・・・・・キャンプをしたいが、危険な動物はいないだろうか・・・・・予約なしに出発することにする。


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第1日(Aug 6 FRI)出発ーメイン州Bargonへ、長距離ドライブ

朝9:50 すこし寝不足気味だけど、おにぎりを作った後、意を決して車に荷物を詰め込む。これ以上はむりというほど(写真)。
ドライブに出発。ロングアイランド島を東に。ニューヨーク市のThrogs Neck Bridgeから95号線を西に。海のきれいなNew Havenから91号線を北上。Hartfordから84号線、Worcester市内で所用。New Hampsher Liquor shopに寄った後、Maine州Bargonに着く。宿泊場所を探したり、SUBWAYで食事したりしたあと、Super8 Motelで宿泊。ここまではAcadia NPに来たときに通った勝手知ったる道。あのときは少し落ち込んでいたころだった。あれから4年も経ったのかと思う。
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packing  

第2日(Aug 7 SAT)カナダ東部横断の長距離ドライブ、ニューファンドランドへのフェリーに乗る

5時に目が覚めた。ぐっすり寝た。アジアカップ日中戦の決勝戦が始まる時間で、ちょっと気になったがニュースはまだ。1号線をカナダに向かう。なだらかな丘陵地帯が続く。
Calaisからカナダに入国。ドライブで国境を越えるのはヨーロッパ以来だから約10年ぶりか。時差があって時計を一時間進める。米国側のCalaisが10時半だったからカナダ側は11時半だ。
田舎道を走り海岸沿いのアンチークの店のそばで手製おにぎりの昼食。
Sussexに入った後、Moncton市内の観光案内所で休憩。ここからプリンスエドワード島へは北にむかうことになる。そこに行こうか、少し迷うが寄らずに一直線にニューファウンドランドを目指すことに。ノバスコシア付近は雨。この付近の町は"St."がついた名前が多い。アイルランド−スコットランド人の伝統か(写真)。ノバスコシア北端のCape Breton島に近づくにつれて天候が回復。Cape Breton島に入るところで車列が止まる。海峡にかかる橋が回転式の開閉橋で船が通過するので開いたためで、10分間止められた(写真)。島内をNorth Sydneyに向けて1時間半走る。途中、峠からCape Bretonの北部とNorth Sydneyを遠望する(写真)。さあ、もう少しだ。

North Sydneyのフェリー乗り場に20時に着く。船は23:30発なので充分と思いきや、Stand-by23 番目といわれる。North Sydneyの町はすぐ隣で、歩いて行く。中華レストランでマーボ豆腐を食べる。待合室に戻ると、アイルランド-スコットランドの音楽とダンスのサービスがあった
dance(クリックするとビデオ)

船の増便があったようで、0:30の出発の船の可能性となったがなかなか乗れと言ってくれない。百台も乗ったかという後で、もうだめかな、と思ってたところに乗れといわれる。幸運?なことに、最後の一台として乗船できた(写真)。船内のインターネットで日中サッカーが3:1で勝ったこと、中国側応援団の非礼な態度を知る。予想された結果だが。3:00頃寝る。明日は目的のニューファンドランドだ。


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sign bridge
panoramaferry
 

第3日(Aug 8 SUN)ニューファンドランド南部の港からGros Morne国立公園へドライブ

朝6:00ごろ、あと1時間ぐらいでドックに入るというので甲板にあがったが霧が深くて陸地は見えず。7:00霧のChannel-Port aux Basuquesに着く(写真)。この港は、17世紀頃にバスク人が捕鯨のためにこの地に来たことを記念した名前ということだ。インフォメーションセンターで地図や資料をもらう。ちょっと寝不足気味なのと霧が濃いのでゆっくりしようと海岸沿いの町に寄る。Cape Rayの灯台へ。霧、打ち寄せる波、灯台の霧笛・・・ああこれがニューファンドランドか・・・ともうニューファンドランドの印象が決まったかに思えたがこれはかなりの間違いだとあとで気づく。
さて北へドライブと思ったけど睡魔が襲ってきた。路肩に駐車して車内で20分ほど寝る。北上。Corner Brookというニューファンドランド第二の町で昼食をとることに。Mary Brownsでサンドイッチ。この町のスーパーでししゃもに似た魚の干したものを買う。店員や客の印象はイギリス人という感じだ(写真)。

さらに一号線を北上してDeer Lakeから西へ430号線に。Gros Morne NPに入る。Infoでキャンプサイトについて聞いた後、中心地区のRocky Harbourを過ぎてBerry Hill のキャンプ場で2泊の予約をしてテントを張る。ここは森の中で、木が多くてプライバシーを保てるのと水道、トイレ、シャワーの設備は良い。ただ景色はよくない。キャンプはデスバレー以来だが、あそこと違ってここは雨が多いので雨対策にテントの上に簡易テントを張る。ご飯を炊きおにぎりを作る。


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ferry  super  

第4日 (Aug 9 MON)Mt. Gros Morne登山、Big Mooseと鉢合わせ、山頂からの眺望を堪能

さあGros Morneに来たからにはMt. Gros Morneだと、登山口を目指す。天気は良い。7:45登山開始。これから8時間の登山行だ。歩き始めは快調で、普段の歩きゴルフの成果かなと安心する。Mt. Gros Morneは褐色の巨大な固まりという感じ。かなり急峻で、遠くからみるとつるつるした感じで登れるのかな?と思う(写真)。

東側の迂回道(写真の分かれ道の右手)をとる。眼下の谷がU字谷できれいな小川が流れる(写真)。

登山道の先にふとした気配に前を見るとなんと大きな鹿(Big Moose)が目の前の道に現れた。馬より大きい。当方との距離は3、4メートル。ぎょっとして身構える。先方も立ち止まってなにか考えている様子だったが、登山道の脇の山の茂みに入る。すぐシャッターを切ったのはよかった。デジタルカメラの威力だな(写真は下)。しばらく歩いて頂上に向かう急斜面で見回すとさっきのBig Mooseが居た!デジタルビデオカメラで撮影。この辺りは遠方の台地と渓谷が美しい。
Moorse(クリックするとビデオ)

しばらく登山していると、雷鳥の幼鳥のようなのが歩いていたので撮影。このあたりはとてもきれいな渓谷が見えるけど、目的としているすばらしい景観の場所に早く行こうと急ぐ。山頂から降りてきた女性にBest Viewはもうすぐか?と聞いたら、Best Viewはここだよと私が過ぎてきた方を指す。えーと思って岩の道を戻りBest Viewの地へ。さっきの雷鳥を見たところだ。U字形渓谷の湖、と台地の美しさにあらためて感動。おにぎりをほおばって鑑賞(写真)。


beauty
(上の写真をクリックするとビデオ)


このころから天候が急変。雨が降り出す。山頂(806m)を過ぎ、下り道は大変な急勾配の岩の道(写真下)。これを登ってくる人たちと出会う。中国からの留学生達(St. John'sのMemorial Univ.の大学院生)がずぶぬれになって登ってくる。ほぼ全員と話をした。さらに岩の道を降りて、山すそで休憩した時少し足がつった。無事に8時間のハイキングを下山したが、足は疲れていた。

trail trail


再びInfoに寄って魚屋の場所を聞く。魚屋では、品数は少ない。ニューファンドランドは魚は豊富かと思っていたのにちょっとがっかり。HalibutとScallop(多分両方とも冷凍もの)を買う。ランドリーで洗濯。テントに戻り、魚を全部フライパンで醤油・みりん・酒)で仕上げて食べる。
とにかく、Mt. Morneに登ったし、予想外にBig Mooseとの鉢合わせまであって大満足の一日だった。

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GrosMorne
map trail
Valley
Moose
 

第5日(Aug 10 TUE)北の半島を北上し海岸美を楽しむ、ラブラドルに渡る港へ

明け方雨がぱらぱらしたが、7時に起きたときはよい天気。ご飯を炊きに炊事場へ。昨日登山中に会った中国人の学生たちも来ていて話をする。アジアカップの結果を知っていれば教えて欲しい、というので結果を話す。「もめ事」には触れなかった。

テントをたたんでドライブに出発。Rocky Harbourのインターネット接続サービス店に寄る。持ち込みのパソコンにつないでうまくいったことは無いというのをむりに頼んでなんとか接続した。デジタルカメラの写真やム−ビーをサイトにアップロード。


ニューファンドランドの北、海の向こうのラブラドルに行こう。北極に近い土地をドライブしたいのだ。西岸に沿ったバイキングトレイルを北上。美しい海岸が続く(写真)。穴の開いた奇岩に立ち寄る(写真)。

16:05にSt. Barbeの港に着く。フェリーのスケジュールが変わったらしく、明日朝6時の出航とのこと。近くのモーテルに宿泊。ニューファンドランドもこれから行くラブラドールもSt.ナントカという町が多い。これはこの地に来たアイルランド人が命名したものらしい。アイルランドには沢山の「聖人」がいるということらしい。


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ocean
rock

 

第6日(Aug 11 WED) フェリーでラブラドルに上陸、小さな蠅の群れに悩まされる

4時前に起きてフェリーのチケットを買う。6時出航して7時半にBlanc Sablonに着く。この港はケベック州で、5分ほどドライブするとラブラドルに入る。(州は、ニューファンドランドーラブラドル=NL)濃い霧が立ちこめツンドラに近い景色にラブラドルを感じる(写真下)。

labradol

北上。小さな村がときどき現れるが、ニューファンドランドとはかなり違って、霧の中にツンドラがただひたすら広がっている。道は、100キロ以上先のCartwrightまで続いていてそこから奥のGoose Bayにはフェリーで12時間乗るとのこと。そこまでたどり着いたとしても、モントリオールまで陸路をドライブするなら、このようなツンドラ地帯を1000km走らなければならない!もともと、日本にはない荒野の旅にあこがれがあったにもかかわらず、果てしなくツンドラと霧が続くラブラドルの重く沈んだ雰囲気に前進する意欲がなくなってしまった。冒険というのは厳しいものだ。

最果ての村、Red Bayに着いた。インフォで話を聞いた後、博物館に寄る。バスク人の活躍に関する水中考古学の成果や捕鯨の展示が興味深い。捕鯨は欧州のランプ用の燃料を取るためにされたということ。ランチは、鹿、Calibuのハンバーグ。他に見るものもなく外を散歩する。道ばたに人の形をした石組みがある(写真右)。イヌイット(エスキモー)の習慣のようでまじないの意味は無いとのことである。この写真で、石組みの遠方に見える黒い固まりは大きな難破船である。


北上の冒険は止めて、ニューファンドランドに戻るつもりで南下。Pinwareのキャンプ場は湖と海に挟まれたところにある。ラブラドルの一夜をここで過ごすことにした。設営準備をしていてびっくり。それまでなにもいないと思っていたのに、どこからか沢山の小型の蠅(Black fly)が集まってきて顔や耳などにとまる。刺すわけではないけどとても耐えられない。管理人に言ったら、海辺の方が条件は良いというのでそこに移動したけれど状況はほとんど変わらない。薪と炭で火を焚いたら逃げて行った。煙が苦手らしい。撃退法を見つけてほっとする。魚の集積場が近くにあるというので、魚を買いに行く。生きたサバとニシンを詰めていたが、これらのFresh fishは売らない。売るのは冷凍魚だと聞いてがっかり。それではと村のスーパーで「冷凍肉」を買ってバーベキューに使うがとても食べられるようなものではない。ラブラドルの生活の厳しさを感じた。


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ship   RedBay

inuit

 

 

第7日(Aug 12 THE)ラブラドルからGros Morneへ舞い戻り、海を望む絶景でキャンプ

6時起床。テントの外に出たとたんに集まってきた蠅の群れをけむりで追い払い朝食。はや旅も7日目。

ドライブで南下。途中の村で「虫除け用ヘルメット」の看板がでていたところをみると、ここはたいへんなところだと思う。カナダで2番目に高い灯台に寄る。灯台のまわりに咲いているリンドウを小さくしたような紫の花が皆灯台の方向を向いているのが面白い(写真)。

10:30のフェリーでニューファンドランドに戻って生きた心地を感じてほっとした。ラブラドルのドライブは冒険だったのだ。一路南下してGros Morne NPの中の氷河が作った湖であるWestern Brook Pondへ(写真下)。トレイルを歩いた後、明日の湖ボート観光を予約。その後Green Pointキャンプ場へ。ここは、設備は整っていないが、荒海に面した高台で景観がすばらしい。夕日を見ながら夕食をした。潮騒を子守唄にして寝る(写真)。

lake


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Lighthouseflower

camping

 

 

第8日(Aug 13 FRI)大きな氷河湖をボート観光、国立公園南部へ移動

6時起床。Green Pointの朝。リスの鳴き声が面白い。水道でシャンプーとシャワーですっきり。ただどうしたわけか便秘。こんなことは20年以上なかったのに。ぽっとんトイレがいやだったか、昨日、米のご飯を食べなかったからか?

Western Brook Pondのボート観光に参加。湖まで歩いて30分。長距離トレイルハイクにいく4人と話をする。そのうちのひとりは、コネチカッットに住む日本人であった(写真)。この旅で日本人に会ったのはこれが初めてだ。

10時から船は氷河が作ったフィヨルドの湖に入って行く。切り立った崖がすごい。岸辺にBig mooseの姿を見つけて客は大騒ぎ。湖観光をすっかり堪能した。同じいすにすわった老夫婦と話をする。若い頃にニューファンドランドの鉄道事業に携わったがその鉄道も今は廃止されたとのことで、センチメンタルジャーニーのように感じた(写真)。例のバックパッカーの4人は湖の最奥部で降り、5日間の予定でツンドラ状の台地を歩くそうだ。

      cruising

Gros Morne NPの北部のはだいたい見たので、今夜は南部の湾を大きく回ったところのキャンプ地、Lomondに移動。ここは、湖のような内海とKilldevill Mt.を眺めるところで設備も良いし静かで絶好の場所。

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hikers    oldCouple(左の写真をクリックするとビデオ)
cruising
 

第9日(Aug 14 SAT)褐色の台地Table Mt. は、プレート移動を示す大きな教材だ。そこに食虫植物が咲くわけは?

さらに西南のTrout Riverを目指す。途中でDiscovery Centerに寄ったところ、10時からのTable Mt. 地学ツアーに参加を勧誘される。面白そう。展示によると、Table Mt.の存在が世界遺産への登録の最も重要な要素だったとのこと。へ〜、と思う。
Table Mt. のふもとに着く。明らかにこの山は異様である。まわりの山が緑に覆われているのにTable Mt.は褐色のはげやまだから。ガイドの説明は興味深い。アメリカ大陸プレートにアフリカ大陸プレートが衝突したときに、後者は前者の下にもぐりこんだ。ただ地表に近い地層は剥ぎ取られて前者の上に残った(写真)。その地表部分のうちマグマに近い方の地層がTable Mt.であると。この層はマグネシウム、クロム、鉄などを多く含み植物の生育に適さない。それでハゲ山なのだ(写真)。


歩いて行くとストーンサークルがいくつもある。なぜこれができたかは聞き漏らした。また、Pitcher Plantという食虫植物がたくさん生えている。スポイトを皆に渡してなにが入っているか観察させる趣向も面白かった。小さな甲虫や蝶などいろいろな虫が捕まっているのにびっくり。栄養の無い土地では食虫植物が多い理由も理解できた。なるほど、ここには地球と生命の壮大な営みを示す教材があるんだな。昼過ぎから大風と大雨になり、Table Mt.登山はあきらめる。ハリケーンが来ているらしい。


ツアーの後、雨の中をTrout Riverの村の海辺の景色の良いレストランでマッセルを食べる。近くの図書館に行きインターネットで天気予報を見ると今日、明日とも大雨だという。心細くなる。さてでは旅を切り上げ早く帰るとしようか?途中で、海岸沿いのトレイルであるGreen Gardenをハイキングしていたずぶぬれのアメリカ人を拾う。

Gros Morne NP を出て、Deer LakeのInfoで電話を借りフェリーの予約を聞くと、今晩のChannel-Port-aux Basques発は売り切れ。では、と明後日(MON)の深夜のArgentina発を予約する。Argentinaはニューファンドランドの東海岸にあり、ここから600キロ以上あるところ。これで、行くのを止めようとしていた、Terra Nova NPとSt. John'sに行けることになった。

一路東へ。途中ガソリンスタンドがない道が続きヒヤヒヤする。このあたりのTCH(トランスカナダハイウェイ)は内陸を走っているが、沿道に町は少なくほとんどの町は海岸沿いにあるためだ。ようやくあったスタンドで立ち話。ニューファンドランドは良いところだから住みたいな。というと、高校生ぐらいの女性が、ニューファンドランドは仕事が無いので人口が減っていると言う。また、主人はすぐ不動産情報誌を広げて、住宅の価格は2〜6万ドルだという。ロングアイランドの1/10以下の価格ということのようだ。今晩は、Ganderという町のConfort Inn に宿泊。久しぶりの贅沢。


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explanationTableMt
stonesplants
 

第10日 (Aug 15 SUN) Terra Nova国立公園でゴルフ、Jimに会う

ハリケーン一過、すばらしい青空が広がった(昨日の天気予報は外れた)。8時半、一路TCHを東へ。9時半にTerra Nova 国立公園のInfoに着く。海岸沿いのトレイルを一時間歩いた後Bule Hill展望台へ。森と海岸線の織りなす景色に見とれる。清流沿いのトレイルを一時間歩いてビーバーダムを見る。


近くに良いゴルフ場もあるというのでむずむずしてきてトレイル探訪を切り上げて直行。第1ホールから森と海を見下ろすすばらしいコースである。途中大きな岩がある清流を超えるショートホールなどもある。途中からJimと一緒にプレーする。彼はトロント大学の内科医でSt. John's近郊に別荘を持っているとのこと。プレー中よくアイアンを置き忘れてくるくせがある。外科医はよくハサミを体内に置き忘れるが内科医はアイアンを置き忘れるんだね、とからかう。後半9ホールをマッチプレーとする。一進一退の展開だったが最終ホールで彼に花をもたせた。彼が、フェリー港の南にSt. Mary岬というのがあり沢山の鳥が生息しているのを見ることができると教えてくれる。


さらに4時間ドライブしてSt. John's南方のLa Mancheという州立公園に行きキャンプをする。夜空にこれまで見たこともないほどの満点の星を見て感動する。カシオペアと大熊座が同時に見え白鳥座と銀河もくっきり。人工衛星や流星も見えた。


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view
jim
 

第11日 (Aug 16 MON)アメリカ大陸最東端St. John's観光、Cape of St. Maryで海鳥に興奮、ニューファンドランドを離れる

6時起床。今朝もすばらしい青空だ。今夜ニューファンドランドを離れるのだ。St. John'sに向かって北上。Petty Habour という小さな港町を眺めながらテイクアウトの朝食(2回目の)をとる。
view

昼にCape Spearに着く。ここは北アメリカ最東端の地である。岬一帯は木がなくて広い敷地に遊歩道が何本も作られている。19世紀半ばに作られたという古い灯台(今は博物館)と新しい灯台がある。崖の下に見下ろす広い大西洋には6隻の軍艦が航行していた。この広々とした景観はとてもすばらしくてすぐには立ち去りがたい(写真右)。
午後1時頃にここを後にして、St. John's市内に近くにあるSignal Hillへ。石造りの建造物の上に上がるとSt. John'sの町と大西洋が一望できる(写真下)。丘のすぐ下にある地学博物館に寄って記念に化石を買う。
StJons


St. John's市内に入りInfoによった後、カメラ用の電池を買う。Infoで聞いた本屋によってインターネット接続を試すが今回はうまくいかず断念。
さて次の目標はJimに聞いたSt. Mary岬に行くこと。ここからは250キロぐらいある。市内を出てTCHを西へ。ガソリンが少なくて気になるがスタンドが無い。TCHにはスタンドの表示がないのが困る。なんとか見つけて安心。TCHを離れて90号線を南下。家もほとんどなく対向車も僅かな一本道を走る。91号線の表示があったのでこれに入り東へ。途中小さな村のYard Saleに寄り休憩。St. Maryの表示があったので左折するが目的の92号線であるか不安になり、対向車を止めて確認した。92号線が100号線と名前が変わった頃から風景が一変する。それまでは小柄な針葉樹が広がっていたのに木が全くなくなりこけのような植物が覆っているだけになる。これまで学んだ知識から、土地の地学的性質が大きく変わったのだな、と思う。行けども行けども次の表示がない。ようやく出会った対向車に道を聞く。

午後5時、Cape of St. Maryの自然保護区に着いた。少数の訪問者がいた。管理棟でまず映画を見るように言われた。たくさんのツノメドリ(Puffin)というカモメに似た鳥や他の海鳥たちが営巣する様子が映され期待が膨らむ。管理棟から大西洋を望む崖の上のトレイルを1キロぐらい歩く(写真右)。いたいた、絶壁の巨大な岩を中心にひしめくばかりに大変な数の鳥たちがいて周囲を乱舞している。すごい!!観察ポイントには数人の人がいた。海面から崖の上までの高さは数十〜百メートルであろうか。フェンスもなく、岩にしがみついての観察を楽しむ。

     写真をクリックするとビデオになります。
StMary


名残惜しい気持ちを持ちながらここを後にする。半島の西側の海岸沿いの起伏の多い道を北上してドライブ。途中同乗を希望する少年に出会うが車内は荷物でいっぱいでスペースがないのであきらめてもらう。海上遠くにニューファンドランド西部の陸地を見る。1時間のドライブ後にようやく20時にAlgentinaのフェリー乗り場に着く。自動車と大人一人がCa$232.5、来るときはCa$101.25だったから倍以上だ。駐車場のすぐそばの公園でピクニックをしている家族がいるのを見て、まねをすることに。缶詰のスープを沸かしてタマネギを入れ、今朝にぎったおにぎりも食べる。
午後10時半頃乗船、12時ごろ予定どうり出航する。船内は涼しいので寝袋を用意していす席で寝る。

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Lighthouse
cannon     castle

cliff

port

 

第12日 (Aug 17 TUE)フェリーで13.5時間カナダ本土に戻る、プリンスエドワード島へ

6時に目が覚めた。ぐっすり寝た。寝袋にくるまって寝たのが良かったと思う。ただ、腰が痛い。どうも体がずれて腰に負担がかかる姿勢になっていたようだ。しまった、と思うが起きて体を動かしたら、なんでもないのでほっとする。思えば腰痛に限らず体調に不安があったらこんな旅はできなかったろう。あらためて健康に感謝する。このフェリーは昨夜12時に出航し今日の午後2時にNova ScotiaのNorth Sydneyに到着予定。30分の時差があるので13時間半のクルーズだ。


朝ご飯は、船内のレストランでイギリス風のをたっぷり食べる。コンセントが使える席を探してバーの壁沿いでこれを書いていたら、通りかかった船員が階上では無線インターネット接続が使えるよ、という。それ、と階上に行って試す。"WaveLAN Network"というのを検知するが接続ができない。コンセントが使いにくいのでまた階下のバーにもどる。現在ニューファンドランド時間で9:45。Nova Scotia時間では9:15。外は雨が降っている。カントリーの生バンドの歌を聴きながら写真やムービーの読み込みなどをパソコンで実施した後、もう一度階上に行く。ひょっと見るともう一つ隣に部屋があり一等船室のようである。今は等級の差別をしていないようなので入ってインターネット接続を試すとばっちり!!これはうれしい。でも、反応は遅い。メールは受信していたがこちらからは発信できず。
こんなことをしていたら13.5時間のクルーズもあっという間に済んだ。階下でコーヒーを飲んでいるとOntario州のLondonからきたカップルが来て奥さんがさっき見たヨットの遭難と救出作業について話してくれる。そういえば、私もフェリーが止まったときに甲板に出てヨットや見物人のムービーを撮影していたので見せたらびっくりしていた。


午後2時半にNorth Sydneyに着く。ニューヨークとは地続きの地に立ったことで安心。Breton島を走る。行けども行けども本土に着かない。雨模様。1時間半もかかってようやく海峡を越す。雨が一時的に激しくなるがそのあと青空が広がる。では、プリンスエドワード島(PEI)に寄ろうと決める。フェリーは18時出発。チケットは?と聞くとタダだという。島に入るのはタダで、出る時払うシステムと聞いて妙に感心。
港の目の前の陸地がPEIかと思ったらさにあらず、これは小島で、PEIは25キロも先で、75分のクルーズで着く。Infoでキャンプサイトを聞いて、港から30分ぐらいドライブしたLord Selkirk Providential Parkでキャンプすることに決める。PEIをドライブした最初の印象は、田園地帯が美しい豊かな土地だ、ということでニューファンドランドやラブラドルとは全く違う。目的のキャンプサイトは広々としたところ。真っ赤な太陽が海に落ちて行くところだった。今夜の食事の用意がないので食料品店の場所を聞いて30分ほどドライブしてサーモンの切り身などを買う。とって返して暗闇の中で火を炊き夕食を済ませた(写真)。


 .........................................................................................................................................[143.8 miles、累計2895.2 miles]

PEI  

第13日 (Aug 18 WED)ゴルフ、赤毛のアンの家Green Gablesへ、そしてプリンスエドワード島にもう1泊

5時半に起きる。朝靄のなかで朝食をとった後散歩。隣が9ホール、パー37のゴルフ場だとわかる。7時半からプレー。海辺や森の中を縫う面白いが難しいコース。7番ホールではティーショットのあとで狐がひょこひょこと出てきたのは愉快だが、打ったボールをくわえて持っていったらしい。せっかくのナイスショットだったのに。最後の9番ホールではバンカーの整備をしていた女性が作業をやめてギャラリーよろしく観戦してくれた。小柄な高校生といった感じの人。ティーショット、パターともに外しボギーに終わったのは残念。ゴルフの後テントをかたずけてシャワーを浴びてすっきりする。


では、目的のGreen Gablesに行こうと、Charlotte Townを過ぎて田園地帯や国立公園のビーチをドライブ。天気は良く、だんだん暑くなる。意外と大きな島だ。

Green Gablesではモンゴメリーの旧家とそれに隣接する遊歩道、"Hallow Wood Trail"を歩く。何人かの若い日本人に会った。赤毛のアンを生み出したモンゴメリーの豊かな感性を思う。中学時代に文庫本で数冊の赤毛のアンシリーズを読んだとき、カナダの外れにあるこの島ははるかにかすむ遠〜い存在でとてもその地に行けるとは思わなかった。こうして訪問できたことに感謝の気持ちを持つ(写真)。


さて、ここを見たらプリンスエドワード島には用はない。早くここを出よう、とドライブを始めたら睡魔が襲ってきた。今まではちょっと運転したらすぐ慣れて眠気もおさまったのにどうもいかん。コンビニの駐車場を見つけて車を止めて仮眠をとる。夢で、眠って対向車線に飛び出てぎくっとした。これで目が覚めたことが2回あった。駐車場で1時間近くも眠っていたからよほど疲れていたのか、と思い、今晩はMotelに泊ることにする。コンビニで聞くと、道も間違えていたよう。Summer Sideという海沿いの町のこれまたゴルフ場の前のMotelにチェックイン。でも今回はゴルフはやめだ。魚を買いに港に行くがたいしたものなし。スーパーでCodを仕入れる。こんな港町で良い魚が手に入らないなんて・・・とまたがっかり。今夜はゆっくり英気を養って明日からの帰りのドライブに備えよう。累積走行距離も3000milesを超えた。


 .........................................................................................................................................[107.5 miles、累計3002.7 miles]

GreenGable-Ann  

第14日 (Aug 19 THE) プリンスエドワード島を出発、内陸ルートでメイン州のAugustaへ

昨夜は本当によく寝た。やはり気づかないうちに疲れがたまっていたのかな。昨日はとても暑かったのに、今朝は涼しくてセーターを着た。9:40にMotelを出て、さてインターネットは?といくつか探したら、Summer Sideの町のInfoでダイアルアップをつなぐことができた。そこを出て、美しい田園風景のプリンスエドワード島に名残を惜しみながら本土と結ぶConfederation Bridgeを渡る。長い橋で、おそらく瀬戸大橋と同じくらいだと感じた(写真)。(後で調べたら、Confederation Bridgeが12.9 km、瀬戸大橋が13.1 km)


11:30に橋を渡り終わってこの旅も最終段階だ。来たときは海沿いの1号線だが、帰りは内陸の2号線をとる。Frederictonを過ぎ、3号線そして4号線を通る。アメリカとの国境に近いMacAdamの町でれんが造りの立派な鉄道駅を見る(写真)。

国境の検問所は山の中にあって5分ほどいろいろ検問されちょっとだけ厳しいな、と感じたが問題なし。国境を越えてカナダ時間16時はアメリカ時間15時となる。アメリカ側の6号線は村もまれにしかない森の中の道で1時間ほど走る。途中のガソリンスタンドで、右前タイヤがかなりへこんでいるのに気づく。どうりでハンドルを取られるような感じがあった。かなりスピードを出したことを思いちょっとぞっとする。エアーを入れる。95号のハイウェイに出て南下。来た時宿をとったBangorを過ごしメイン州の首都Augustaでハイウェイを降り、スーパーでFlaunderとSquidを仕入れ近くのMotelに落ち着いた(19時)。今晩はこのシーフードを料理、堪能して明日の安全運転に備えよう。

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BRIDGE STATION

 

第15日 (Aug 20 FRI)

帰宅 ......................................................................................................................................... [500.0 miles、累計3950.3 miles]

   
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