10 ここに法隆寺壁画の源流が

アジャンタ

 

12/13( 木) アジャンタへ観光バスの旅。渓谷の石窟の壁画を堪能。夕方、アウランガーバードから飛行機で西海岸の大都市、ムンバイ(ボンベイ)へ。


観光バス  8時半に観光バスが出発した。昨日の朝にチケット予約センターで会った久野青年も同じバスで会う。彼はチェンナイで日本語教師をしながらインド各地を旅行しているという。途中のホテルで中村さん親子が乗ってくる。中村さんは77歳で、ハイビジョンのビデオカメラをお持ちである。息子さんは弁護士で、旅行中も携帯電話で日本と連絡をとって仕事をこなしているとのこと。

バスはかなり古く、道路面が悪いところではかなり揺れる。古い歌謡曲を思い出す ー 「田舎のバスはおんぼろ車。タイヤはつぎだらけ、窓は閉まらない。〜〜でこぼこ道をガタゴト走る。」しばらく行くと、「アジャンタ道路」に入る。舗装してあり快適になる。


11時過ぎにアジャンタ着。ここでバスを降り、遺跡に行くシャトルバスに乗り換える。遺跡はワーグラー河の切り立った渓谷の崖に並んでいる。遺跡全体が遠望でき、景観としてもすばらしい。




石窟と壁画  アジャンタは仏教遺跡である。紀元前1世紀ごろの簡素な前期窟と仏像が進歩した紀元5世紀の後期窟に分けられる。インド人のガイド、Tanvirさんが早口だが熱心に説明してくれる。


                                               1窟 蓮華手菩薩


1窟は、ここで一番重要な後期窟の遺跡。石窟内には電灯があるが暗い。フラッシュとビデオ撮影は禁じられている。持参した懐中電灯で照らして鑑賞する。デジタルカメラの感度を最高にすれば撮影できる。それでもシャッター速度は0.5〜2秒くらいになるので柱を利用したり息を止めたりして撮影する。石窟の正面に本尊ブッダ座像がある。向かって左に蓮華手菩薩の有名な壁画がある。これが、法隆寺金堂に描かれた菩薩の壁画の源流なのだ。遠いインド=天竺と日本の文化を結びつけたのはどのような人々だったのだろうか?

法隆寺金堂壁画のサイトはこちら

                                                                1窟 天井の壁画


壁にも天上にも極彩色の壁画が沢山ある。牛や人々が漫画のようにユーモラスなタッチで描かれているのが面白い。夢中で息を止めシャッターを切った。


                                             17窟の物語壁画


2窟〜19窟までつぎつぎ熱心に見学する。その後は未完成窟が続く、それらを飛ばして渓谷を眺めながら 第26窟へ。ここには、みごとな仏像がたくさんあるが、入り口近くのブッダの大きな涅槃像がおもしろい。涅槃像の下では人々が嘆き悲しんだり祈ったりしている彫像がある。そして、涅槃像の上には、喜んでいる人たちの彫像がある。これは、ブッダが死んで極楽に来るのを極楽の人たちが喜んでいるのだろうか?

             26窟の涅槃像 下に釈迦の死を悼む人々  上は「祝う?」人々


ここの彫像はどれも欠損部分が少なくほぼ完全な姿で鑑賞できるのが良い。アジャンタは、長く密林の中に埋もれていて、19世紀初めにイギリス人が偶然発見するまで人が近づかなかったので保存状態が良いということだ。




綿畑、空路 ムンバイへ移動  アジャンタを満喫してバスで帰る。途中、綿畑が続く。それにサトウキビ畑も。予定どおり午後6時に帰着し、タクシーでアウランガーバード空港へ。デッカン航空でムンバイへ1時間。ムンバイでは予約していたホテルをタクシーの運転手が見つけられず、やむを得ず運転手が知っているホテルへ。夜1時就寝。   「次へ」


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