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コロナウィルスの変異株 (その2)

ー 日本の状況、DとGの関係など

 

ワシントンポスト紙電子版の記事で、コロナウィルスが突然ん変異により高い感染性を獲得したのではないか?、との内容に興味を持ったので、日本と世界のデータをいくつか集めた。1
         図1.   アジア地域のコロナウィルスの型 (B. Korberら、 2020. 6. 26 Accepted

図1は、米Los Alamos研究所のKorberらの報告で、3月以前にはD型が主体であったのに対して、その後はG型が増加したのがわかる。特に日本では3月以後はほとんどがG型である。縦軸は検査しょたものの件数であって感染者の数でないことに注意すべきであろう。

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 図2.   世界におけるウィルス型の変化(B. Korberら、 2020. 6. 26 Accepted)     図3.「型」の対応

世界における変化が図2であり、欧州で感染爆発した時期とGの増加時期がほぼ一致していることを示している。Gは「欧州型」とも呼ばれる。図3は、GISAIDによるウィルスのより細かい分類名とD、Gの対応を示している。

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       図4. 世界の地域別のウィルス変異株の経日変化(Mercatelliら、未査読論文 2020.6.3投稿)

地域別の経過を示した図4を見ると、G型が多いアメリカと欧州でもGのさらに細かい分類株の比率が異なっているのがわかる。

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         図5.全世界のコロナウィルス(SARS-CoV-2)の変異株の地域別の変化(GISAIDのデータから筆者が作成)

感染症を起こすウィルスの遺伝データについての詳しい情報ががNEXTSTRAIN(またはGISAID)があり、7種類に分類した変異株の分布と頃日変化、および「感染経路」がアニメで表現されている。上の図5はそれから作成したものである。2020年2月上旬に欧州で青で表示されるG型が出現して感染が始まり、その後アメリカやにほんと東南アジアにも広がっている様子がわかる。

次の図6は489種類の変異株ゲノムの系統樹で、AとB️は全く同じ内容と思われる。この図では黄色で示されたG型が青色で示されたD型の変異ではなくD株とは共通の祖先株から発生したものであることを示していると思われる。これが何を意味するかは筆者にはわからない。

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                図6.SARS-CoV-2ウィルス、489種のゲノムの系統樹(Caoら、2020.5.24

次の図7は、Los Alamos研究所のKorberらの査読前論文に掲載されたもので、D型に比較してG型の感染力が数倍高くなっていることを

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                   図7.(Korberらによる

示している。

なお、新型コロナウィルスについては、京都大学の山中伸弥教授のサイトがあるのでぜひお読みいただきたい。

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まとめ

1)コロナウィルスが中国・武漢で発生した時は、変異株(バリアント)は大部分D株と呼ばれるものであったが一部G株もあった(図1)。
2)2月の上旬にイタリアで感染が見つけられた時はやはりD株が主体であったが2月22日頃にはG株が主体となった(図4、5)。
3)2月22日頃の時点で、日本では大部分D株で3月初旬頃からG株が増加していきその後大部分がG株になった(図1、5)。
4)4月上旬は、一部(韓国、東南アジアなど)を除く全世界はG株が主体となった(図4、5)。
5)G株とD株は2020年1月以前の共通の祖先を持ち、G株2月以降にD株から変異したものではなく、2月末頃爆発的に増加した(図6)。

以上から、イタリアで感染を伝えたのはG株であり、日本には2月末〜3月初旬に欧州からの旅行者がG株を持ち帰った、と想像できる。 G株がD株より(図7で示されたように)感染力が強いかどうかについては筆者には何も言えない。今後の研究を注目したい。

2020年7月14日