糠平ぬかびら・扇ヶ原 

三国峠     2025.9.10   層雲峡で滝見物をした後、南東に向かって走っていく。16:20、三国峠展望台到着。「三国」は、旧地名で石狩・十勝・北見であり、ここはそれら三つの国境が交わるところ。眼下に見渡せる広大な樹海は「十勝三股」と呼ばれる地帯で、約100万年前の大噴火で生成したカルデラである。
その樹海の中を糠平(ぬかびら)に向かって走る。地図では、進行方向左手に糠平湖があるはずだが厚い森林が続く。湖が見えてからしばらくして小さな町に着いた。
17:15、糠平温泉郷の宿に到着。   


      図15 三国峠
 
図16 三国峠(2)
      

糠平温泉  温泉は、炭酸水素ナトリウム(重曹)と塩化ナトリウムの両方を含む珍しい湯であるとのことだ。夕食で、糠平湖で今日採ったカジカという小さな魚の唐揚げがあった。あっさりしてクセがない。食堂には、冬の湖の写真がたくさん展示されていて興味深い。氷に閉じ込められた気泡の写真について、女将がこれはメタンガスが凍ったものだ、と説明してくれた。食後にネットで調べてみた。メタン分子がカゴ状の水分子に包まれた「メタンハイドレート」というもののようだ。

糠平から然別へ     2025.9.11   糠平湖は大部分が原生林に囲まれていて道路から見えにくい。温泉街にから湖畔に行く道を下っていった。


図17 糠平湖  湖の最南部にあたるところ。近くにキャンプ場がある。
     
幻のアーチ橋
糠平は「鉄道アーチ橋」跡で有名であるということだが、周辺道路からは見ることができない。三国峠から糠平に来るとき、所々に案内板があった。国道から森野中を湖畔まで歩けば橋が見えるのかもしれない。
湖畔にある「鉄道資料館」の説明(図18)によれば10以上の橋があるようだ。旧国鉄の士幌線で使われた橋で、古代ローマ時代の水道橋を思わせるタウシュベツ川橋梁という高架橋もあるらしい(図19が宿泊した宿に展示されいた写真)。写真のアーチ橋は、夏の増水期は水中に沈み、厳寒期に現れるという。見学するにはツアーの参加が必要だとのことだ。
     
図18 旧国鉄士幌線の橋脚跡の位置を示す図
     
     図19 タウシュベツ川橋梁(通称めがね橋)の写真
     
幌鹿峠・然別湖・扇ヶ原展望台          糠平を10時に出発して幌鹿峠に向かう。次の目的地からは少し遠回りとなるコースである。
     

図20 幌鹿峠の手前でぬかびら源泉郷スキー場の建屋と糠平湖を見下ろす。
 
   
     

図21 幌鹿峠を降りて然別湖の北側の湖畔へ。
   

図22 然別湖を過ぎて南の平野を見下ろす扇ヶ原展望台
     

扇ヶ原展望台  然別湖から南に向かうと広い平原が見渡せる。十勝平野だ。


図23 扇ヶ原展望台からのパノラマ  (マウスオーバーで山座同定)
     

 もやがかかっていて場所の同定が難しい。きれいに整備された区画の向きと左手の低山を手掛かりとして同定を実施した。広域地図(図24-b)によると、遠方に日高山脈の山波があるはずだ。


図24-a 扇ヶ原展望台からの同定に使用した地図ー上が南。

図24-b 扇ヶ原展望台からの同定に使用した地図ー上が南。


鹿追町
扇ヶ原展望台から山道を降りてさっき眺めていた平野に出た。ここは一面のトウモロコシ畑。今来た山の方を振り返って写真を撮った。図26の地図と見比べる。図25の写真の右手にある二つの山の間をドライブで降りてきて、その左手の山(西ヌプカウシヌプリ)の中腹に扇ヶ原展望台があるとわかった。遠方の山塊の最高峰は、トムラウシ山(大雪山系の日本百名山)と思われる。


図25 鹿追町瓜幕からの北方向を展望 (マウスオーバーで山座同定) 

つづく

     
     

図26 鹿追町瓜幕からの山座同定に使用した地図 
          
上士幌町から阿寒湖へ    13時、士幌町の道の駅でランチを摂り、士幌町経由で阿寒湖に向かう。