雌阿寒岳登山 

雌阿寒岳遠望  2025.9.11 15時ごろ  上士幌町から国道241号を走っている時、前方に現れたのが二つの山(図27)。左が雌阿寒岳、右が阿寒富士に違いない。雌阿寒岳の山頂部分が白いのが印象的だ。火山活動のために植生がないのだろうか。 初めて見る姿に武者震いを感じる。     
15時半、阿寒湖畔の宿に到着。登山は明日早朝に始めよう。


図27 雌阿寒岳、阿寒富士遠望
     

雌阿寒岳登山  2025.9.12   6時過ぎに宿を車で出発。6時半、雌阿寒温泉駐車場に到着。あちこちから湯煙が上がって硫黄の匂いがする。6時50分登山開始。ほぼ同時に、70歳代と30歳代二人の男性が出発。若い方に「この山はきついですよ」と言われる。私には無理だと忠告してくれたのだろう。7時22分に1号目。8時ごろ2号目。木の根が折り重なった険しい道となる。9時頃、谷に降りた後登り。この辺りから眼下に西側の広大な樹海が開けてきた。台湾人のカップルなどに追い越された。9時半、5号目を過ぎてから岩登りとなる。10時40分、左手遠くに阿寒湖を見る。11時、8号目。植生は膝の高さ程度の木で、白い礫が広がっている。登山口で同時に登山を開始した二人が下山してきた。よく登ってきたなあ、と感心された。11時半、9合目で大きな火口の縁。火口内に噴煙を見る(図29)。火口の細い縁を歩いて行く(図30)。12時、雌阿寒岳登頂!(図31)写真の後ろに阿寒湖。


図28 雌阿寒湖畔と雄阿寒岳

図29 南側火口

図30 頂上近く南側火口の縁の登山道。

図31 山頂。火口の向こうに阿寒湖。

雌阿寒岳登頂  頂上から阿寒湖と雄阿寒岳がすぐ識別できる(図32)。こちらが北方向だ。その手前に大きな北側火口が口を広げている。右手の東方向に歩いていくと南方にもう一つの火口と阿寒富士がある。火口には小さな池(青沼)があり、その向こうに噴煙が見える。この雄大な景色を10枚の連続写真に納めた。(帰宅後その10枚をフォトショップでつなげたものが図32である。図34の地形図と組み合わせた作成した山座同定を図32に示した。)
軽い昼食を摂り、12時半下山開始。上りでは、普通の登山者の2倍ぐらいかかったので下山でぐずぐずしていられない。

雌阿寒岳山頂(1499m)から北〜東〜南方向300°の大パノラマ。(マウスオーバーで山座同定)

図32 雌阿寒岳山頂から北〜東〜南方向のパノラマ。
          
西〜北方向の眺望   (マウスオーバーで山座同定)一面の樹海で、「同定」の対象が見つからない。

図33 雌阿寒岳中腹から西〜北方向のパノラマ。
          
山座同定に使用した地図

図34 山座同定に使用した地図
          

下山   12時半、下山開始。火山礫の積もった急坂。続いて、岩が続く。上から登山者が次々私を追い越していく。15時9分、5号目。大きな岩が続く。バランスをとって歩くのが大変だ。樹海を見下ろす景色は素晴らしい(図33)。オンネトーは小さな湖で、単調な樹海の中の良い目印だ。私が降っている時すれ違った登山者が早くも降りてきて次々私を追い越す。その方達の話では、午後は山頂に雲がかかり真っ白だったという。岩や木の根に足を乗せていく下山は慎重さが必要だ。30人ぐらいに追い越されただろう。私は一人で、焦らずゆっくり降りていく。ようやく1号目を過ぎても道の険しさは変わらない。夕闇が迫っているがライトを持っているし焦ることはないさ。そこへ、馬ほどの大きさのエゾ鹿が目の前に現れる。立ち止まって見ていると悠然として進んでいった。熊でなくて良かったな〜。17時、登山口に到着。登り、降り共に普通のコースタイムの倍かかり10時間の山行であった。無事に終えられてよかった!
昨夜と同じ宿に連泊。ここは、阿寒湖畔の大きなホテルで土産物屋が並ぶ温泉街の中心だ。

          
登山の翌朝(9.13)のTV報道。私が下山している時間帯に火山活動があったという。気づかなかったし、事故がなくてよかった。

          図35 雌阿寒岳の火山活動についてのTVニュース